リンパ球バンク株式会社

このところ「丸山ワクチン」がネット上で賑わいをみせております。スポーツ選手が投与を受けている、とか科学的根拠が明らかになった、といった話題がSNS上で飛び交っています。 科学的根拠は最初からあります。 相変わらず科学的根拠と臨床上のエビデンス(有効性の証明)が混同されていますが丸山ワクチンは、結核菌の抽出物を注射するのですから何らかの免疫刺激がある、とここまでの根拠はあるのです。 あとは実際に治療に使ってどうか、で、これをエビデンスと呼ぶのですが、白血球が増える人がいらっしゃいます。 ややこしいのは抗がん剤で免疫システムがダメージを受けていくところへ丸山ワクチンを併用すると、免疫刺激効果は当然、減殺されるので効かないのでは、という側面と、全く逆に抗がん剤によって白血球が減少し感染症で亡くなる方が大勢いらっしゃるので丸山ワクチンによって白血球の減少に多少でも歯止めがかかり、投与しないよりはした方が若干の延命効果がでるかも、という側面もあります。 ただし、丸山ワクチンにしろ、レンチナンにしろ単独投与で進行がんの症状を劇的に改善するという類のものではなく、あくまで若干の免疫刺激を加えるというものですのでもの凄い効果を期待するのは無理があります。 実際に進行がん患者さんに、これらの薬剤を単独投与しても、血液中のNK細胞の活性はほとんど動きません。 がん患者さんの強い免疫抑制がかかっている状態のところへ単独投与しても、がん免疫を顕著に刺激するものではない、ということです。